2024.10.02 Wednesday
想いが伝わるグリーティングカード 制作の裏側
今回は、前回の印刷工場見学レポートで登場した、株式会社ジンテック様のグリーティングカード(暑中見舞い)について、制作の裏側をご紹介したいと思います。
株式会社ジンテック様は、B2Cのお客さまの顧客データについて「維持・管理・活用」に役立つ商品・サービスの開発・提供などをされている企業です。年末年始や暑中に、お客様・パートナー様との重要なコミュニケーション手段として、ジンテック様らしい、想いを込めたグリーティングカードをお送りされています。
そしてこの度、夏のグリーティングカードとして暑中見舞いの制作をuzumakiで担当させていただきました。本記事では印刷工程に入る前のデザイン制作過程と、クライアントであるジンテック様よりお聞きした、暑中見舞いがお客様のお手元に届いた後のお話などをご紹介いたします。
〈目次〉
1.ご依頼内容/ヒアリング
2.アイデア出し
3.デザイン提案
4.デザイン決定
5.印刷を終えてお客様の元へ
〈ジンテック様インタビュー〉
1.ご依頼内容/ヒアリング
株式会社ジンテック様は、毎年夏と冬に、社長様が伝えたい想いを込めたコピーをメインとしたグリーティングカードを、お客様やパートナー企業様にお送りしていらっしゃいます。そしてこの度、企業理念やジンテック様らしさをふまえた上で、よりお客様に喜んでいただけるデザインにしたいとご相談いただきました。
条件として①社長様が大切にされている「変わらないために変わり続ける」というメッセージを伝えること、②届いた後も飾って楽しめること、この2つを同時に満たすことをご希望いただきました。
2.アイデア出し
まずは企業様についてヒアリング内容やリサーチを元に理解し、制作する上で前提となるジンテック様らしさとは何か、どのように表現するかなどを考えていきます。そうして①の「変わらないために変わり続ける」というメッセージを表現するために、コンセプトやそれに伴うビジュアルのアイデアを複数出していきます。
例えば、「変化」や「夏」というワードから波や海を、人やチームワークを大切にするジンテック様らしさから、一丸となって海を進む「ヨット」など。モチーフのアイデアを出しつつ、表現方法としてイラストなのか写真を使用するのか、また伝えたいメッセージや挨拶文とリンクさせながらラフ案を出していきます。
同時に、コピーライターさんと打合せします。社長様よりいただいた挨拶文をベースに、より読みやすく、メッセージが伝わりやすくなるようにアレンジをしていきます。
加えて、②の飾って楽しめるもの、届いた時にも喜ばれるデザインにするため、形状や使用する紙も検討し、印刷会社さんに見積もりを出してもらいます。
3.提案
そうしてジンテック様に提案したのが以下の3案。
A案
ノスタルジックな風景イラストの2つ折りカード
「変化」を「成長」と捉え、みずからは変わり続けながらも、常に変わらずそこにある輝く海のように、お客様に対する想いは色褪せることはない。そんなメッセージを、同一人物の子どもの頃と大人になってからの姿を、2つのノスタルジックなイラストで表現。
B案
夏の風景を描いたポストカードと窓付き封筒
列車が動き続けることで、窓から様々な夏の美しい景色が見られるように、みずから変わり続けることでお客様に喜びを届けたい。そんなメッセージを、列車の窓をモチーフにした封筒に、3枚の夏の風景イラストが描かれたポストカードを入れて送る仕様で表現しました。
C案
ヨットの様々な航海の写真と物語風コピーの蛇腹折りカード
ヨットのクルー達が天候などのあらゆる変化に対応しながら目的地へ進むように、社員一丸となって社会のあらゆる変化に対応しながらお客様と共にゴールへと向かう。ジンテック様がプロジェクトに向き合う姿勢を航海の様子に例え、夏らしいヨットの写真と共に詩的なコピーライティングで表現。
それぞれ実際のサイズ・形状で印刷し切リ抜いて組み立てたものと、説明資料をジンテック様の元へ持参し、プレゼンをして参りました。
4.デザイン決定
そうして採用されたのがB案。窓抜きの中が見える仕様にしているため、届いた時に目を引くビジュアルで、開けた後も3枚のポストカードを入れ替えて飾るわくわく感があるという理由から、こちらを選んでいただきました。
次にデザインをより詰めていき、ブラッシュアップしていきます。現段階では、デザインのイメージが伝わりやすいように用意したイラストや色、文字の配置などは仮であり、完成したデザインデータではありません。そのため、イラストをイラストレーターさんに依頼し描きおこしてもらったり、コピーライターさんと、キャッチコピーや本文を練り直したりします。ジンテック様とも確認を取りながら、イラストやコピーの修正、文字のレイアウトや封筒の色など試行錯誤を繰り返して、ようやくデザインが出来上がりました。
その後、印刷会社さんにお渡しできる入稿用のデータにし、前回の記事でご紹介したように印刷工程に入っていきます。完成した暑中見舞いがこちら。
5.印刷を終えてお客様の元へ 〈株式会社ジンテック ご担当者様インタビュー〉
弊社にご依頼いただいた株式会社ジンテック ご担当のT様から、うずまきに依頼をされてみてのご感想や、暑中見舞いを受け取られた方のご反応などをお聞きしましたのでご紹介いたします。
Q.1 ご担当のT様や社長様の率直な感想をいただけますか。
お客様から「きれい、かわいい」などお声が聞こえてきそうな仕上がりになり大変満足です。
社長も、提案の時点で直感的に良いと評価していただき、ここ数年の中で1番よいグリーティングカードになったと思っていただけております。
ありそうであまりない構成で、手元に届いた時だけでなく、部屋に飾れたりポストカードとして使用できたりと様々な楽しみ方ができる点が特に良かったです。
Q.2 その他、社内の方やお客様の暑中見舞いに対する反応はどのようなものがありましたか。
社内のメンバーからは、「うずまきさんセンスいい。」「家に飾りたいから1つ欲しい*。」という声があがっておりました。お客様からも「もう1枚欲しい。」というとても嬉しいお言葉もいただきました。
※お客様向けの暑中見舞いのため、社員の皆様には配布されなかった事から生じた反応です。
Q.3 グリーティングカードを送ることを廃止される企業や個人の方が多いで、暑中見舞いに力を入れる会社様は珍しいと思います。貴社にとって暑中見舞いはお客様・パートナー企業様との重要なコミュニケーション手段の1つとのことですが、このような暑中見舞いをお送りする事の良さについてお聞かせいただけますか。
お客様への感謝と、今後ともよろしくお願いいたしますという気持ち、そして当社の覚悟を今一度お客様にお伝えできるところです。
利益や効果を期待しているのではなく、ジンテックとしての想いを、練りに練ったデザインとコピーでお客様に楽しんでいただきながら伝われば嬉しいなと思っております。
Q.4 次回はこうしたいなというような新たな課題点はありますか。
できる限り開封率を高めていく事を意識していきたいです。
開封するという手間がなくても内容がある程度分かるものがいいですね。届いたグリーティングカードをパッと見て、こちらの想いやカードの楽しさに対する期待感がすばやく伝われば、まだつながりが深くないお客様にも、開封していただける可能性が高まると思うので。
Q.5 ジンテック様から見て、デザインを外部のデザイン会社に発注するメリットは何だと思われますか。(うずまきに頼んで良かったところ)
社内の視点からは思い浮かばない、第三者目線の考えや「そうきたか」とハッとさせられる提案がいただける点です。また、先入観を持つことなく受け取る方の気持ちになって吟味できる点もよかったです。
Q.6 デザインを発注する際、不安なことや気をつけていたことはありますか。
初回の提案まではコピーやデザインテイストが当社に合っているものになっているのか不安に思うこともありましたが、3~4案の幅のある提案をしていただいた後は安心しました。依頼をさせていただく際、当社のグリーティングカードの目的や求めるもの、方向性などはっきりと決まっている部分はヒアリングや書面にてお伝えいたしました。
Q.7 目的を果たせる、良いグリーティングカードを制作するためのコツ、ポイントのようなものはありますか。
会社としてこうしていきたい、といったスタンスや、お客様への変わらない思いを、時代の流れや社会背景を鑑みながら、できるだけ明確にした上でデザイナーにお伝えすることだと思います。
ありがとうございます。
もらって嬉しいデザインであることはもちろん、社長様のお伝えたいことや企業らしさ、イラストのテイストや形状、郵送方法など試行錯誤しながら制作した暑中見舞いを、クライアント様にも暑中見舞いを受け取られた方にも喜んでいただけたとのことでとても嬉しいです。
ブログ記事の掲載にご協力いただきました、株式会社ジンテック様、ありがとうございました。
以上、暑中お見舞いの制作の裏側&クライアント様インタビューでした。
次回のうずまきブログもお楽しみに!
ご協力いただいた会社様
■株式会社ジンテック
日本で初めて商業ベースで電話番号調査による様々なサービスを開始。通信関連情報を駆使した情報サービス業、SMS配信サービス業等を展開。企業向けにSMS配信サービスや、マーケティング・与信に活用できる電話番号情報、IPアドレス情報等を提供。法人向けの住民票の取得代行サービスも行う。