2025.04.01 Tuesday
マンガと図解でまるわかり!デザイン用語図鑑
普段のお仕事で行われる、クライアント様や取引先の方とのお電話やメール、打ち合せ。そのやりとりをする中で、正確な意味は知らないけれどなんとなく使っている言葉って、結構ありますよね。
ここでは、よく使うデザイン用語やデザイナー独特の言い回しをピックアップし、マンガと図解で楽しくご紹介したいと思います。
私たちデザイナーと一緒にお仕事をしてくださっている皆様と、今後のコミュニケーションがよりスムーズで快適なものになったらいいなと思っております。お仕事の合間に休憩がてら気楽に読んでみて下さいね。
〈目次〉
1. 用語【色校正】
-マンガ「ホンキでコウセイ!?」編
-図解「色校正の種類」

2.用語【ラフ】
-マンガ「いったんラフで。」編
-図解「制作の流れとラフ」

3.用語【キービジュアル】
-マンガ「キービ次第!?」編
-図解「ポスターのデザイン要素」

1. 用語【色校正】
-マンガ「ホンキでコウセイ!?」編

ちょっとヤンチャな新人デザイナーAくんは「本機校正」を「本気更生」と聞き間違えたみたいですね(笑)。マンガで登場した単語「本機校正」とは?今までもデザイナーが「色校正をお送りします。」とお伝えするシーンがあったかと思いますが、同じ「校正」でも何が違うのか。本記事を書いているデザイナー2年目の私も最近までよく分かっていなかったので(汗)、新人デザイナーAくんと一緒に次の図解で学んでいきます。
校正とは、制作した印刷物が意図した内容や仕上がりになっているかを、印刷会社とデザイナーの間や、デザイナーとクライアント様の間で確認するために行う、本番の印刷前の試し刷りのことです。
-図解「色校正の種類」


「本機校正」は本番と同じ印刷なんだ!

色で大きくイメージが変わる製品や人物の画像、コーポレートカラーを使っているポスターやカタログなど、コストがかかっても仕上がりをしっかり確認したい時にいいね。
印刷用の「版」を作ったり(2024.8.26ブログ「印刷工場見学レポート」参照)、色を安定させるために試し刷りを数百部印刷したりするから、納期の日程調整が必要だよ。

じゃあ「簡易校正」は何に向いているの?

厳密な色の再現性が求められていない制作物に向いているよ。例えば比較的低単価な商材のカタログやマニュアル類、コストを抑えたいチラシとか。
簡易校正用の紙はつるつるしているから、本番の紙もコート紙のようなつるつるとした質感の印刷物の時は、印象が近い校正ができるからいいかも。
印刷物に合った校正の方法を、デザイナーと一緒に模索することが大切ですね。
2.用語【ラフ】
-マンガ「いったんラフで。」編

ラフな格好、ラフスケッチなど普段の生活でも耳にする言葉ですね。「ラフ(rough)」とはおおまかな・粗いという意味。デザインにおいては、アイデアやコンセプトを簡単に表現したデザインの下描き・たたき台のこと。クライアント様とデザイナー、代理店の方とデザイナー、はたまたデザイナーどうしで、大まかな構成やデザインの方向性・イメージを確認しすりあわせる時に使います。
ラフといっても様々なので、制作段階によって「ラフ」を種類分けしてみました。会話の中で出てきた「ラフ」が、どの段階のものを指しているのか意識するとスムーズに話が進みそうですね。
-図解「制作の流れとラフ」


“提案用のラフ”は、完成したデザインに見えるけど、入稿(※1)用のデザインとどこが違うのでしょうか。

ほぼ完成したデザインの印象に仕上げているよ。ただ、この段階では複数案提出したり、修正依頼があったりするんだ。だから変更に対応しやすいよう、アタリ画像※2を使用したり、デザインの細部はまだ詰めずに大まかにしている点が入稿用のデザインとは違うよ。

「カンプ」という言葉もよく聞こえてくるけど、ラフと何が違うのでしょうか?

入稿前に、仕上がりの状態をクライアントの方に確認してもらうための完成見本のこと。高解像度の画像を使用し、細部まで作り込むよ。英語の「Comprehensive Layout(カンプリヘンシブ レイアウト)」を略した言葉で、「包括的なレイアウト」という意味。
※1:入稿とは…印刷できるデータを印刷所に渡すこと。入稿用のデータでは、トンボや塗り足し※3を付けて、サイズや色、使用画像が印刷に適しているか確認します。
※2:アタリ画像とは…一時的に仮で使用する画像。加工前や低解像度のものを使用する。
※3 トンボや塗り足しとは…印刷後の断裁の工程に必要で、仕上がり位置を指定する時に用いる印を「トンボ(トリムマーク)」という。同じく断裁の時に必要になるのが「塗り足し」。仕上りサイズの外側3mmまで背景の色や画像を広げた部分のことで、断裁の際に生じるズレで紙の白地が出るのを防ぐ。
3. 用語【キービジュアル】
-マンガ「キービ次第!?」編

正式名称は「キービジュアル」ですが、先輩方が “キービ”と略して代理店の方と話していらっしゃったので紹介してみました。ここではキービジュアルの他にも、制作物のデザインにおける代表的な要素をピックアップしてご紹介いたします。
-図解「ポスターのデザイン要素」


見る人は最初に「キービジュアル」や「キャッチコピー」が目に入るよね。次に見てほしい所→最後に見てほしい所を要素のレイアウトや文字の緩急で、見る人が迷わないように視線を自然に誘導できるデザインを心がけています。

ポスターを掲出した時にどう見えるのか、DMやチラシなら他のDMやチラシと並んだ時にどう見えるのか、埋もれてしまわないかイメージしながら、色や要素の大きさを試行錯誤します。
いかがでしたでしょうか。校正の種類・制作の流れ・デザイン要素、それぞれにまつわる様々なデザイン用語について、マンガと図解でご紹介してきました。
ぜひ、マンガの印象とともに、これらのデザイン用語を頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。私たちデザイナーと一緒にお仕事をしていただいていく上で、お互いの意図が伝えやすくなったり、よりスムーズな会話ができたり、さらにはもっとこういうものをつくりたいというご依頼もしやすくなればとても嬉しいです。