2026.06.04 Thursday
〈ここだけのふぉんとのはなし2〉有名ブランドとフォントの意外な関係





はい!フォントをイチから作って、
とてもこだわりました!
なるほど!そうだったんですね。
青木さん、実はロゴは強い個性にこだわらなくても
いいものができることをご存知ですか?
そうなんですか?
どうしたらいいロゴができるのか、
詳しく教えてください!!
わかりました!
ではまずコチラを見てください↓

お!どこかで見たことがあるロゴだ!
その通り!
これらは誰もが街中で見たことがあるロゴです。
ですが、すべて既存のフォントをテキストとして
打ち込んでホンモノに似せたものなんです!
え!?
フォントを打ち込んだだけなんですか!?
はいそうです!
実は有名なロゴのほとんどは、
歴史のある既存のフォントを調整して作られています。
なるほど…。それは驚きました…。
では、今回のフォントシリーズは、有名なロゴには
どんなフォントが使用されているのかを軸に、
ロゴとフォントの関係についてお話ししましょう!
はい!よろしくお願いします!
1.有名なあのロゴの作り方
街を歩いていると多くのお店が並んでいます。アパレルショップ、雑貨ショップ、高級ブランド、スポーツブランド、カフェなどなど、、そしてそれらのお店にはロゴがあります。ロゴはお店の顔となるとても重要な役割を担っています。

誰もが見たことのある有名なロゴたち。これらはすべて既存のフォントを元につくられている可能性が高いです。画像のロゴはフォントをテキストとして打ちこみ、目視で調整したものです。
各社で文字間などの微調整や形状のアレンジはしていますが、すべて元となったフォントがあります。フォントには歴史があり、それぞれの持つ特徴がブランドイメージと結びついてロゴになったと言えます。
今回のuzumakiブログでは、フォントシリーズの第二弾として、ロゴとフォントについて解説していきます。
※本ブログは、フォントの解説を目的とする記事であり、紹介するロゴから想起される各企業と弊社とは無関係です。記載の内容はあくまでも弊社の見解です。
前回のフォント記事「〈ここだけのフォントのおはなし〉非デザイナー職こそ!フォント選びでホップ・ステップ・ジャンプ!」では、それぞれのフォントがどんな場面に適しているかについてお話ししました。
今回は「ロゴ」ということで、欧文フォントに注目して、セリフ体とサンセリフ体について解説します。
2.フォントが与える印象
〈セリフ体〉
・装飾があることによって個性を与える
・上品で繊細な雰囲気
・文字のストロークに優雅さ、伝統、歴史を感じさせる
・手書きの名残があり重厚な雰囲気
→時代を超えたブランドや伝統的な高級ブランドなどのロゴに使われることが多いです。

〈サンセリフ体〉
・装飾がなくミニマルなデザインで、洗練された印象
・無駄がなく機能的
・カジュアルな雰囲気も信頼感のある雰囲気も両方持ち合わせている
・無骨なものから幾何学的なものまで、機能美を強調させる
→最先端のサービスや、未来的なイノベーションのロゴに使われることが多いです。

このように、セリフ体とサンセリフ体は形が違うので印象も異なり、それを理解した上で企業・ブランドに合ったフォントを選ぶことが大切です。
3.ロゴとフォント
ここからはどんなフォントがどんなロゴに使われているかをお話しします。
それぞれ、しっかりと理由があってフォントが選ばれています。

「Helvetica」は1957年にスイスのタイポグラファーであるマックス・ミーディンガーとエドゥアルト・ホフマンによって設計されました。
個性が少なく読みやすいため、多くの企業ロゴに使用されています。
サンセリフの代表とも言える人気なフォントで「世界で最も愛されるフォント」とも呼ばれています。
フォントの特徴
・主張が強すぎず、中立的な印象を与える
・簡潔で独自性は少ないが、その分どのような業種業態にもマッチする
〈Helveticaを使用したロゴ〉
大手電機メーカー「Panasonic」
文字間を狭く調整して引き締まった印象を与え、電機メーカーらしい精密さが表現されています。

ライフスタイルブランド「無印良品」、インテリアショップ「Francfranc」
両ブランドとも生活に密着した商品が販売されています。余分な装飾のないHelveticaで清潔感や誠実さが表現されています。

他には大手自動車メーカー「TOYOTA」、スポーツブランド「THE NORTH FACE」など、ジャンルは多岐にわたります。



「Futura」は1923年にドイツのタイポグラファーであるパウル・レナーによって設計されました。
機能美を追求した、直線と円で構成された幾何学的な形状が特徴です。
サンセリフ体は古代ローマ時代の碑文で使われた文字が元となっていますが、Futuraはその碑文の文字に似ていると言われています。
フォントの特徴
・成り立ちが関係した幾何学的な形状により高級感、王道感がある
・フラットでモダンなデザインで今っぽさもある
〈Futuraを使用したロゴ〉
スポーツブランド「NIKE」「Supreme」
スポーツブランドとしてのスタイリッシュさやスポーティーなイメージがFuturaとマッチしています。

高級ブランド「LOUIS VUITTON」「Calvin Klein」
歴史の深い伝統的なブランドとしての高級感が表現されています。
文字間をやや広く取ったLOUIS VUITTONはゆったり落ち着いた上級な雰囲気が、細めのウェイトで文字間が大きく開いているCalvin Kleinは洗練された雰囲気があります。

他には同じく高級ブランド「DOLCE&GABBANA」、高級時計メーカー「OMEGA」などがあります。



「DIN」は1930年代、ドイツの工業規格フォントとして設計されました。
現在も海外の道路標識や交通機関の案内表示でよく使用されています。
公共の場面で使われることもあり、瞬時に判読できる長所があります。
フォントの特徴
・やや長体気味のためクールでスッキリしたデザイン
・飾り気のない清潔な線でモダンな印象
〈DINを使用したロゴ〉
ファストファッションブランド「ユニクロ(UNIQLO)」
機能的でシンプルなデザインの多いユニクロがスマートなフォントで表現されています。

東京オリンピック・パラリンピック2020「TOKYO 2020」
日本を世界に発信する東京オリンピック・パラリンピックのロゴではまさにクールジャパンが表現されていると言えます。



「Copperplate」は1901年、アメリカのフレデリック・ガウディによって設計されました。
Copperplateとは銅版を意味し、その名の通り銅版印刷時代の書体がベースとなっています。
見出しとして使うことが想定されているため、小文字が設定されていません。
フォントの特徴
・伝統的で格式高いが、セリフが小さく重厚すぎない
・力強く洗練された線
〈Copperplateを使用したロゴ〉
食品の高級セレクトショップ「DEAN&DELUCA(ディーンアンドデルーカ)」
高級だけど、どこか親しみやすいブランドイメージが、少しかわいらしくもあるCopperplateで表現されています。

高級ブーツメーカー「UGG(アグ)」
クラシカルで少し格上のブランドイメージとCopperplateがマッチしています。



「Optima」は1958年、ドイツのヘルマン・ツァップによって設計されました。
Optimaも古代ローマ時代の碑文の文字に影響を受けており、サンセリフ体でありながらエレガントな印象です。
フォントの特徴
・女性的で華奢な形
・落ち着いて優美な雰囲気
〈Optimaを使用したロゴ〉
ファッションビル「LUMINE」
女性もののアパレルショップ・雑貨ショップなどが揃うルミネと、Optimaが持つ女性的で優美な印象がマッチしています。

高級チョコレートショップ「GODIVA」
高級路線で女性に人気のあるブランドイメージが表現されています。

スキンケアブランド「Aesop(イソップ)」
自然由来の成分を配合した商品が多く、品質の高いブランドイメージが表現されています。



18世紀にフランスで設計された「Didot」、イタリアで設計された「Bodoni」はどちらも伝統的なセリフ体です。
エレガントで高級感のある印象でファッション雑誌や美容、高級ブランドなどのロゴによく使用されています。
フォントの特徴
・繊細で綺麗な線
・どちらもとても似ていますが、「Didot」のほうが線が細く、テールの払い方が曲線的でより女性的な印象を与えやすいです。
〈Didot・Bodoniを使用したロゴ〉
ファストファッションブランド「ZARA」(Didotを使用)
元のフォントから、文字間は極端に狭く横線は細くなっており、シンプルながらも繊細さや上品さが表現されています。

高級ブランド「DIOR」(Didotを使用)、ファッション雑誌「VOGUE」(Didotを使用)「ELLE」「BAZAAR」(Bodoniを使用)など
「DIOR」は歴史が深く女性の憧れであるブランドイメージと、女性的な印象が強いDidotがマッチしています。
「VOGUE」「ELLE」「BAZAAR」など、少し格上のファッション雑誌は、エレガントで高級感のある雰囲気を伝統的なセリフ体で表現しています。


このように、誰もが見たことのある数々の有名ロゴは、特定のフォントをベースにしているものが多いです。
4.なぜロゴのベースは昔からある定番の既存フォントが多いのか?
ここまで、有名なロゴがどんなフォントをどんな理由で使っているのかをお話ししましたが、なぜそのほとんどが古くからあるものなのでしょうか?もっと個性的なフォントでもいいのでは、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
昔からある定番の既存フォントが多く使われるのには理由があります。

①長い時間をかけて完成されたデザイン
ベーシックなフォントは今より70年〜100年以上前に設計されたものばかりです。可読性、バランス、文字間などが長い間改良されてきました。そのため完成度が高いです。

②どの時代にも合う普遍的なデザイン
長く使う企業ロゴは流行りに左右されない強さが求められます。古くからあり定着しているフォントは、無駄がそぎ落とされ、洗練されています。時代を超えて使われているということは一時的な流行ではなく、どんな時代にも合うデザインなのです。

③カスタマイズしやすい
ロゴのフォントは通常そのまま使わず調整をしますが、ベーシックなフォントのほうが扱いやすいです。

④読みやすさが実証済み
歴史あるフォントはいろいろな媒体で何十年も使われてきた実績があります。つまり信頼できる視認性の高さが証明されています。

⑤タイポグラフィの系譜
昔からある定番のフォントから派生して、現代的な新しいものが作られています。歴史の長いフォントはすべての基礎・土台となるため、多くのロゴで使われやすくなります。

⑥デザイン教育の影響
デザインの学校では、まず歴史の深いフォントを学び使い始めます。多くのデザイナーが古典的なフォントをベースにするので、この流れがどんどん循環していきます。

昔からある歴史の深いフォントは、完成・洗練されたデザインでフォントの基礎となっているため、非常によく使われます。各社はそれをベースに文字間を調整したり、文字の形状を調整したりして個性を出しています。そうすることで他社と差別化し、企業・ブランドの世界観や価値を表現しています。
6.ロゴのことならuzumakiにおまかせください!
今回のuzumakiブログはフォントシリーズの第二弾として、ロゴとフォントの関係についてお話ししました。
では、今回のまとめです。
ロゴとフォントの関係について、理解が深まりましたね。
1つ目…
ロゴに使用するフォントは、それぞれの特徴に
合わせて選ぶことが大切です。
2つ目…
有名なロゴは、歴史が深く完成度が高いフォントを
ベースに使用しています。
3つ目…
ロゴ制作では、フォントをそのまま使うのではなく、
世界観や個性を表現するための微調整が必要です。
これらのことを大切にしながら、uzumakiでもロゴの制作依頼を承っております。
自社のコーポレートロゴをリニューアルしたい、新たなサービスを展開するのでロゴを制作したいなどのお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
次回のuzumakiブログの更新もお楽しみに!!