uzumaki blog|アートディレクター/グラフィックデザイナー 宮田圭介の日々を綴っております。

これいいね! で、いくらなの?《第1回:前編》

街で見かけたグッドデザインをご紹介しつつ、uzumakiの制作費見積を公開します。

タイトルだけですと何のことやらとお思いの方もいらっしゃると思いますが、新企画が始まります。街で見かけたグッドデザインをデザイナー目線から(勝手に)解説、ご紹介し、その制作をuzumakiが担当した場合はいかほどの費用がかかるのか?を、(勝手に)見積書を作成、詳細な解説と共にご紹介します。これを、前編/後編に分けてお届けします。

〈CAUTION! ご注意事項〉

※注1:弊社の制作事例ではありません。街で見かけたグッドデザインのピックアップ記事です。

※注2:見積書は街で見かけたグッドデザインの最終的な成果物のみを見て、uzumaki ならこれくらいで制作できるだろうと算出した、ある意味無責任な見積です。もしかしたら、企画案・デザイン方向性が決まるまでに膨大な作業があったかもしれませんし、その場合はコストは跳ね上がります。しかし、そこに至る過程は外部から知り得ない情報のため、見積からは除外しております。

※注3:Komatsu Reconstruction Challenge プロジェクトとして様々な制作物があり、全体でグロスで制作されている可能性は高く、その場合はクリエイティブ素材(イラストやコピー要素など)の流用をすることで全体の費用を抑えられる可能性が高いです。しかし、これについてもプロジェクトの全体像は外部から知り得ない情報のため、あくまでも仮囲い単体の成果物のみを見ての見積となります。

《前編》
企業が目指す姿を指し示す仮囲いデザイン

コマツ(株式会社小松製作所)本社建替工事の仮囲い

2025年2月末の朝、港区赤坂・溜池山王にあるお客さまのオフィスに撮影に伺っていました。その準備の最中、窓の外に目をやると、コマツ※本社ビル建替工事の様子が見えました。

※建設機械、鉱山機械、林業機械、産業機械などを製造する日本の企業。建設機械では世界No.2のシェアを有する、日本を代表する大手企業です。(ちなみにNo.1はCATことCaterpillar)石川県小松市をルーツとし、1921年に創業されました。「コマツ」の通称・ブランド名で親しまれていますが、正式名称は「株式会社小松製作所」です。

以前からコマツ本社が工事中であるということは知っていたのですが、当時は解体工程で、ビル全体が幕で囲われており、中の様子は全く見えませんでした。そのためさほど気に留めていなかったのですが、今回ビルの上層階からのアングルで見た際は、地上部分は全て無くなり、地下の様子も見えていた(解体を終えて基礎工事の段階?)ため興味が沸きました。「近くに行って見てみたい」と思いました。

撮影を終えた後、横断歩道を渡って近づいていくと、そこで初めて「仮囲いのデザインが非常に凝っている」ことに気がつきました。

高さは3m程度でしょうか?白い仮囲いに道路標識のようなカッティングシートが沢山貼られています。正円、菱形、長方形、八角形といったカタチと、イエロー/ネイビーで統一された色調。ピクトグラムのようなタッチのイラストレーション。何れも道路標識っぽさを強く感じるデザインです。

絵柄はコマツらしく、建設機械が登場するものも多数あります。中には現地の地域名「溜池」なんてのもあり、標識っぽさをさらに強めています。

おお〜非常にコマツらしい仮囲いデザインだ!と感心し、バシャバシャと写真を撮りまくりました。

この場所が何なのか、コマツ本社がどのような場所になるか、コマツとしてどのような未来を目指しているのか、道路標識(風)のデザインで伝える意図があるのだと思われます。

ひときわ目立つのが1番大きなこの標識「Komatsu Reconstrucion Challenge」です。これが一連の標識群の代表、タイトルにあたるものであることが伺えます。

「Komatsu」「Challenge」は分かるとして、「Reconstruction(リコンストラクション)」とはどんな意味でしょうか?たまに聞く「Construction」に似てますが、これは建設…的な意味だったはず。建設大手を「ゼネコン」とか言いますからね。で、頭に「Re」が付くということは、再建築とか再構築的な意味だろう、とアタリをつけました。

コマツを再建設する挑戦

こんな意味ではないでしょうか。コマツ本社はコマツ全体の象徴でもあるので、コマツを再建設・再構築する挑戦。本社の建替にコマツという企業そのものの建替(再構築)を重ね合わせるような意図があるのだろうと。

隣に同じく大きな標識でコンセプトコピーぽいものが掲示されていますが、長文はなるべく読みたくないのでまだ読みません(笑)。※最後に読みますのでご安心を!

周囲を眺めていると、そこかしこにコピーが添えられた、中型の標識が目に入ってきます。

  • 未来へつなぐ屋上庭園
  • 工事の仮囲いにも注目を
  • 地域とのつながりが広がる場所
  • ますます広がる共創のかたち
  • つながる、出会える、新社屋
  • ここからふくらむ、子どもたちのわくわく

他にもありましたがひとまず目に付いたこの辺にします。どれも、新しく建つ本社ビルについての説明ですね。どうも、社員の方以外にも広く開かれた場所になりそうです。こういうことならば、仮囲いで「コマツ本社はこうなる!」と告知する意義がありますね。通常の本社建替だと、コマツ社員以外には関係無い、感心を持てない事ですが、新社屋がこのような場所になるのであれば、道行く人達は「自分たちにも関係あるビルになりそうだ」「どうなるのか楽しみだ」「こどもも遊べるのか?」と感心を持つと思います。

これらをふまえて最後に、本プロジェクトのコンセプトコピー(メッセージ)を読んでみましょう。

〜〜〜引用はじまり〜〜〜

コマツは、
リ・コンストラクション。

子供の頃、公園の砂場でつくった小さな世界。
掘って、押して、積み上げ、また崩す。
 自分の手で世界を変化させ、つくりあげる喜びをあの頃から、私たちは知っている。

創業1921年、コマツは、世界中のたくさんのパートナーと共に、
 建設、鉱山、林業、あらゆる現場で、その喜びを感じてきた。

時代は変わった。環境も変わった。技術も変わった。しかし、あの喜びは変わらない。

変えるべきものと、変えてはならないものがある。
だから、コマツは、リ・コンストラクション。

2027年、コマツは本社を新たなつながりの場として、スタートさせる。

今日までの自分を信じて、明日からの自分を描きたい。 今よりももっと世界とつながり、よりよい明日を築いていきたい。

だから、コマツは、リ ・コンストラクション。
つくりあげる喜びを、ずっと先の未来まで。

〜〜〜引用終わり〜〜〜

忙しい現代人にはちょっと長いかもしれませんので、タイパ民のために、私なりに短くまとめてみました。

コマツは創業1921年からずっと、あらゆる現場で「つくりあげる喜び」を感じてきました。時代が変わっても変わらない喜び、原点を大切にしながら新しく生まれ変わります。「リ・コンストラクション」を合い言葉に、2027年に本社を新たなつながりの場としてスタートさせます。乞うご期待!

Chat GPTさんにも要約を頼みました。

コマツは、創業1921年から世界中の現場で「つくりあげる喜び」を共有してきた。変わる時代の中で、変えるべきものと守るべきものを見極め、2027年に本社を新たな交流の場へ。より良い未来を築くため、リ・コンストラクションを推進する。

やはり、「リ・コンストラクション」を合い言葉に、本社の建替にコマツという企業そのものの再建築(再構築)を重ね合わせて、「我々は変わるぞ!」と宣言するようなプロジェクトのようですね。

この標識群が指し示すのは、コマツ新社屋の新たな姿であり、コマツという会社の未来の姿である。

そういうことか、と凄く合点がいきました。ビジュアルの表現手法としてもバシッとコマツらしくハマっているため、尚更スッキリと伝わると思います。

このまま満足して本記事が終わってしまいそうですが、ようやく後編へ。まだまだ続きます!

これいいね! で、いくらなの?《後編》

| design | 5:07 PM | コメント(0) | トラックバック(0)
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